プロローグ
2016年7月にリタイアし、愛犬「ちゃちゃまる」の面倒を見ながら過ごし海外旅行はしばらく取りやめていた。12月に「ちゃちゃまる」は天国へ旅立ち、今年に入ってペットロスも少し収まり、海外旅行のムシが騒ぎ出した。
以前から行きたかった「ナイアガラの滝」と「グランドキャニオン」の組合せが無いかとWEBで探すがあまり多くない。あっても40~50万円台だ。そこへ2015年でのスイスツアーのH社からメールが入り「カナダ・アメリカ北米大陸6つの絶景9日間」とある。しかも4月中旬の早い時期は20万円台後半の安さ。希望の「ナイアガラの滝」、「グランドキャニオン」以外にもラスベガス、カナディアンロッキーも入っている。時期が早いせいかホテルもナイアガラではデラックスホテルの滝の見える部屋2連泊とある。1月末にはその気になって予約した。 アメリカ本土は2014年のアラスカ行きでのシカゴのトランジット以外には経験が無く、期待も高まっての4月、出発の日を迎えた。
4月12日(第1日)羽田→トロント→ナイアガラ
羽田からトロントまでは約12時間のフライト。久しぶりの長時間フライト。以前のスイス旅行でも羽田→ミュンヘン12時間だったが、ANAの事前チェックインでエコノミー最前列の壁後ろに席を確保したので、ストレスが少なかったが、今回は事前チェックインができず、ようやく通路を挟んでの隣座席となった。長距離フライトは通路側が断然楽だ。 機内食はエア・カナダなのであまり期待していなかったが、往路は日本で準備するせいかまずまずだった。途中の軽食にカップヌードルは笑ってしまったが、これから1週間以上麺類は食べれないと思い、ありがたくいただいた。
機種はボーイング777-300ERで3-4-3の席並び。日本語訳の映画は予想以上に多く、邦画もそこそこの数が上映されていた。例えば、写真は「深夜食堂2」。それ以外にも「お父さんと伊藤さん」「スクープ」・・・などがあった。 そんな感じで、往路の12時間は、久しぶりの海外旅行への期待感からか、それほどの苦痛はなかった。
トロントへ到着。現地時間16:45。
到着後ナイアガラへ向かう。125km、約1時間半のバス。
午後5時でも正午のように明るい。
19:30過ぎにナイアガラに到着。2連泊のホテルは「シェラトン・オンザ・フォールズ」。部屋にはセミダブルベッドが2つ、広々だ。
高層階の部屋からはナイアガラ滝が正面、一望に見ることができる。 左がアメリカ滝、右奥がカナダ滝だ。
手前のカナダ側と向かいのアメリカ側に架けられたレインボウブリッジ。橋のたもと両側には国境検問所がある。
夕食は(シェラトンのレストランは高いのか)隣のホテルのレストランへ。 とりあえずカナダのビールを賞味。サラダの後、メインはポークだったか?定かでない。
夕食後、滝のライトアップを見に行くが、この季節あんがい寒い。 シェラトンの隣にはカジノも。さすがに初日の疲れで行こうと言い出す人はない。今晩は町も静かだ。
4月13日(第2日)ナイアガラ滝、ナイアガラオンザレイク
朝のナイアガラ・フォールズ。 部屋からの眺めが素晴らしい。
朝食はブッフェ。
品数も多く、悪い癖でいろいろなものをつい取ってしまう。たっぷりいただく。 滝を一望にできるレストランで気持ちが良い。
今日の予定はナイアガラの滝とナイアガラオンザレイク観光だ。 左写真はカナダ側とアメリカ側を渡すレインボウ橋。右は私たちが宿泊したホテル「シェラトン・オン・ザ・フォールズ」
レインボー橋の両岸には国境検問所があり、橋に入るのには50セントの料金を払う。 橋の真ん中には国境のプレートがあり、国境線が示されている。
橋の上からは滝壺の近くまで行く観光船が見える。観光船はカナダ側からとアメリカ側からの両方があり、乗客が着ているカッパの色で区別ができる。カナダ側からの船は赤、アメリカ側の船は青だ。
滝壺近くまで行く「ホーンブロワーナイアガラクルーズ」の乗り場。シーズンにはまだ早く、このツアーは先週から始まったばかり。これでも乗客はかなり少なく、シーズン・ピークには大変な待ち時間とのこと。
カナダ滝には滝壺にかなり接近するので雨具が無いと水しぶきで全身びしょ濡れ状態になる。カメラもビニールで覆わないとびしょ濡れ。
カナダ滝真横のビューポイント、テーブルロック。柵を越えて滝に落ちたら、まず助からない。
昔、故障した船を滝の間近で座礁させ、乗員を救助したとのこと。船はそのまま残されている。
滝の裏側から「ホーンブロワーナイアガラクルーズ」船を見る
昼食は「テーブルロック」の滝が一望できるレストランで。 ここでのステーキが、このツアーの食事で一番おいしかったように思う。
その後、ナイアガラオンザレイク途中のワイナリーを訪れ、ワインの試飲を楽しむ。カナダ名産のアイスワインも試飲したが大変甘くてデザートとして楽しむらしい。 右はワイナリーの広大なブドウ畑。
ナイアガラオンザレイクにある世界で一番小さいとされる協会。6人入ればいっぱいだそう。
かつてダイアナ妃も滞在したという人気の「プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル」。 ホテル横には馬車も待機。
その後ナイアガラに戻り、市中散策後レストランにて夕食。サーモンだったが、写真は撮り忘れ。
明日は米国フェニックスへの移動、朝4:00ホテル出発なので荷造りを済ませ、早めに就寝。 写真はホテルの部屋の暖炉型ストーブ。ガスストーブなのだが、炎が薪暖炉のように揺らぎ、癒される。
4月14日(第3日)米国、セドナ→フラッグスタッフ
朝4時ホテル出発。朝食は幕の内弁当を配られる。8:45発の飛行機なので機内で食べることに。
5:30頃にトロント空港に着き、カウンターに荷物を預けたまでは良かったが、セキュリティーチェックが長蛇の列。イースター休暇の前で乗客が多いのだが出国手続きにしては時間がかかっている。
後で気がついたのだが、カナダ→アメリカの場合は、ここでアメリカ入国手続きをしていたのだ。トランプ政権になってから特にチェックが厳しくなっているようで、結局、ここで3時間以上の時間がかかってしまった。もう少しでフェニックス行きの便に乗り遅れるところで、添乗員さんもあせっていた。
幸い飛行機も30分以上の遅れ、こちらではそのくらいの遅れは日常らしい。 米国フェニックスに着いてからもトラブル発生。ツアー内の2人分のスーツケースが行方不明に。前にエア・カナダではよくあることと聞いていたが、やっぱり…。幸い違うレーンに荷物が迷い込んでいた様で約1時間で解決。トロント出発から米国入りで皆さん疲れ切ってしまった。
セドナへ向かう途中で昼食。ビュッフェ形式は、好きなものをそれぞれの量で食べれるので気楽でいい。
セドナへの道はアメリカ大陸らしく人家がほとんどないフリーウェイを行く。中西部らしくサボテンの登場だ。
これはベルロックと呼ばれる岩山。4大ボルテックスの1つのパワースポット。周り中に風雨で浸食された岩、パワースポットがある。
米国で市街地を出るとキャンピングカー(正式にはモーターホーム)が多く走っている。ここでは宿泊施設も限られるので、旅のスタイルとして定着しているようだ。
(2022年3月後述)最近「ノマドランド」という米国の高齢「遊牧民」や「放浪者」など、定住する場所を持たない車上生活者の人々を扱ったカデミー賞 主要を含む最多3部門受賞の映画を見、原作も読んだが、見たような優雅な旅行者ばかりではない現実もあるようだ。
これも4大ボルテックスの1つ、エアポートメサ。 残念ながら私はあまりパワーを感じなかった。
この辺りの岩山が赤いのは酸化鉄を多く含むからだそうだ。その酸化鉄を使って茶色に染色したTシャツを自分用のお土産に購入した。
今日の宿泊はフラッグスタッフのデイズホテル。 ホテルクラスはスタンダードだが、十分な広さと清潔感があり満足だ。
4月15日(第4日)グランドキャニオン→モニュメントバレー
デイズホテルの朝食はシンプルなアメリカン・ブレックファスト。毎日食べすぎなのでこのくらいシンプルなのがいい。
ホテルの近く、大陸横断鉄道の線路が走る。 グランドキャニオンへは旧ルート66を走り、並行して大陸横断鉄道も。しばらくすると貨物列車と並走した。先頭の機関車は4両、コンテナを中心とした貨物は100両以上という。最後にまた1両の機関車が後ろから列車を押す。
グランドキャニオン公園の入り口。
公園の中心、ブライトエンジェル・ロッジ。
ロッジのロビーを抜けるとグランドキャニオンの渓谷が一面に広がる。 谷底までは1,000mという。この谷が60km以上続いているというから驚きだ。
渓谷の上部は同じ高さの平原になっている。コロラド高原がコロラド川の浸食作用によって削り出された地形とのことだが、日本にはない不思議な地形だ。 岩の上にはカラスが一羽、映画「ローンレンジャー」のシーンを思い出す。
鉄柵のないところも多くあるのだが、見ると断崖の突端に腰かけている観光客もいる。私にはとてもまねできない。
この辺りはナバホ族居留地ということで、昼食は名物の「ナバホ・タコ」。トウモロコシの揚げパンにサラダがトッピングされている。大きさ・量が半端ではなく、ツアーメンバーはだれも完食できず。
駐車場に巨大なキャンピンカー(キャンピング・バス?)を発見。宿泊場所近くを乗用車で行動するために、けん引してきたキャンピングトレーラーを切離すのはよく見るが、彼らはキャンピング・バスで赤い乗用車をけん引してきたようだ。
昼食後、モニュメント・バレーへ向かう。 見渡す限り岩山と砂漠、ナホバ族の聖地と言われているが、まさに西部劇の舞台だ。
ジョン・フォード・ポイントはジョン・フォード監督が好んでロケ地に選んだという場所。
カウボーイスタイルの若者がカメラポイントで乗馬でモデルになってくれる。 3ドルのチップで乗馬させてくれるというので、私が乗馬モデルの発端を切ると、メンバーも次々と記念撮影。
西部劇の舞台を堪能しました。
今夜の宿はカイエンタの「モニュメントバレーイン」。2階建ての静かなホテル。内部も落ち着いている。 ただホテルレストランでの夕食が最悪。炭のような黒こげステーキで歯が立たなかった。
4月16日(第5日)アンテロープキャニオン→ラスベガス
このツアーに限らないのだが、今まで行った海外ツアーでも夕食はレベルの差が激しいのだが、なぜか朝食はそれなりにおいしく食べれる。 ここでも昨晩の炭ステーキの割には朝食はそれなりに美味しい。
今日はカイエンタのホテルを出発し、ペイジにあるアンテロープキャニオンへ向かう。
少し緑が多くなった。 アメリカ中西部の平原は、上が平らで浸食された広大な荒地が広がっており、農地などがほとんど見られない。
アンテロープキャニオン観光の基地に到着。
ジープの荷台の座席に乗換える。マスク必要と言われていたのは、ここの為だった。
リュックやカメラ三脚は持込み不可。その理由はのちほどわかる。 ツアー代金を見ると大人1人$40と結構高い。
2台のジープに分乗し、谷を走る。大雨が降るとこの谷は川に変貌するそうだ。
キャニオンの入口へ向かう。やわらかな砂岩が降雨時の水流で浸食された狭い空間だ。
通路は狭く、狭い所は1人がすれ違うのが精いっぱい。リュックやカメラ三脚の持ち込みが禁止されている理由だ。 ガイドがツアー客のカメラのシャッター速度や露出などをセットしてくれ、その設定で谷への光を撮ると、誰でもこのような幻想的な写真が撮れる。
昼食は中華など多国籍料理のバイキングスタイル。この方が料理の種類、量が選べる。現地ガイドの方が勧めていたビール、MGD(Miller Genuine Draft)があったので試してみる。好みの味だ。
昼食を終えラスベガスまで約400kmを走る。この辺りも大地の上は平らで、大地の間に谷が走っている独特の地形だ。
ラスベガスまであと1時間という処でまさかの事故渋滞。う回路はないようで延々と車が繋がる。中には対向車線にUターンする車も出る始末。 今夜はオプショナルの「ナイトイルミネーションツアー」を予約していたので、それに間に合うかが怪しくなってくる。
それでも1時間余りで渋滞は解消し、ラスベガスへ到着。
ラスベガスの宿は「サーカス・サーカス・ホテル&カジノ」、4000室もあるというマンモスホテルだ。 ここでも夕食はバイキング形式。何がお勧めかわからないのでお粗末なメニューになってしまった。
オプショナルツアーは内容に比べ割高な気がしたのだが、初めて訪れるラスベガスの夜(21:00~)を2人で歩くのは近頃のご時世では危険を感じたので申し込んだのだが、内容は思ったとおりだった。 それでも最初に訪れたホテル・ベラッジオまでの途中は寂れて物騒な様子だったので、ツアーバスで良かったのかもしれない。噴水ショーは期待通りで素晴らしかった。
ストリップを北へストラトスフィア・タワーに向かう。
今日は天気も良く、109階(約264m)からの夜景は素晴らしい。
ここには絶叫アトラクションが3つあり、これはその1つ。回転ブランコがタワーの外にせり出してゆく。勿論試すわけもなく、この類は乗るものではなく、見るものだ。
最後のフリーモントストリートには、本当にがっかり。なぜみんなここに来たがるのか分らない、単にうるさいネオン通りだった。
やはりオプションは申し込むものではないとの後悔の後、30数階のホテルの部屋に戻ったが、ここからの眺めもネオンの数は少ないながら夜景が美しかった。
4月17日(第6日)ラスベガス→バンフ(カナディアンロッキー)
マンモスホテルなので7:00の朝食開始時刻でこの通りの行列。全体を見てからチョイスすれば良いものを、種類が多く広いものだから、取り敢えず取っていくとこの通り、食べ過ぎです。
市内をめぐりながらラスベガス空港へ。
黄金のトランプタワーがある。右は昨晩噴水ショーを見たベラッジオ。 自由の女神、ディズニーのミニチュアありで、東武ワールドスクエアを連想する。
ラスベガス空港から空路カルガリーへ、約3時間のフライト。 先日のトロント→フェニックスのフライトで発見したエアカナダの機内Wi-Fiを使ったエンターテインメントのソフトをipadにインストールしておいたので、国際線と同じ映画を楽しめ、座席はエアバスで狭かったが、それなりに快適なフライトだった。
カルガリー空港からカナディアンロッキー観光の拠点、バンフに向かう。 土地が広大なのはアメリカと一緒だが、カナダの方がのんびりした感じで安らげる。
ラスベガスから約1,700km北に飛び、緯度からいえばサハリン(樺太)辺りなので4月でも真冬だ。
バンフに近づくにつれカナディアンロッキーのまだ雪に覆われた山々が見えてくる。 バンフのホテルに近いボウ滝では、川も氷と雪に覆われている。真冬の衣服の用意を言われていたが、持参したダウンジャケットでも寒い。ラスベガスの25度近い気温との差に体がついていかない。
今晩から2連泊のホテル、フェアモント・バンフ・スプリングス。バンフでの最高級リゾートホテルだ。 この時期はスキーリゾートが終わり、山歩きには早すぎるオフシーズンなので、こんなホテルが格安で用意できるのだろう。ホテルも空いており、落ち着いた十分に広い部屋だ。
4月18日(第7日)カナディアンロッキー(バンフ国立公園)
高級リゾートホテルだけあって朝食の内容も充実している。ラスベガスからヘルシー度アップ。
部屋の窓からも雪を被ったカナディアンロッキーが望める。
ホテルを出発し、一路バンフ国立公園、レイクルイーズに向かうが、この通り真冬の状況。雪も降りだし吹雪いてくる始末。
パンフレットでは青い湖から向かいの頂上に雪を頂く山々が望めるはずが、この通り湖は氷結で真っ白。 季節は2ヶ月早いようだ。
その後、天候は回復しコロンビア大氷原では快晴に。 雪上車に乗車し、氷河を間近に見ることができ、大満足。
ホテルまでの帰途では、ムース(ヘラジカ)の群れを見ることができた。
夕食はバンフ市内のレストランでのローストビーフ。味、柔らかさはまずまずだったが、それまでの食事によほど不満足だったのか、3回もお代わりする女性も出る始末。
4月19日(第8日)帰国
このツアーでの食事は、2日目シェラトン・オン・ザ・フォールズとここフェアモント・バンフ・スプリングスの朝食が一番おいしかった。
朝食後バスでカルガリー空港に向かい、エアカナダ9便で帰国。
帰路は飛行距離は短くなったものの、偏西風に向かって飛ぶため飛行時間は10時間40分。それでも14:40分、往路と違って我が家に近い成田着、比較的楽な帰路だった。 ただいま。