キャンピングカーの部屋

車中泊一人旅の部屋

キャンピングカー購入記

☆私と車中泊

 私の車中泊は30代から始めた海釣りでの前泊がスタートだと思う。乗合船の出船時刻は朝早いので、夜中に家を出るか、早い内に港に着いて釣り座を確保し車内で一寝入りするかだ。だんだん後者が多くなり、心地良く寝れる工夫もするようになった。車はワンボックスを買い替えて乗るようになった。ワンボックス2台目のステップワゴンの頃には、年に1回ではあるが新潟まで遠征釣りに行くこともあり、車中泊が快適なように2・3列目のシートを倒した時に出来るだけフラットになるような工夫をしたり、簡単な炊事用具を積める棚を付けたりした。
この車では2008年7月に、流山~青森~北海道~新潟~流山の10泊、2,940kmの「北海道車中泊の旅」を敢行した。

     車中泊車初代「ステップワゴン」

 その後、子供たちも家から離れ、夫婦2人+犬1匹になったこともあり、ホンダN-Boxに乗り換えた。この車は普段使いにも乗りやすく、軽自動車なので燃費や税金も安く、車両価格は高めだが、大変経済的だ。専用サイズの就寝用マットやテールゲートに付けて車外テントのように使えるカーテン?などの「お泊りパッケージ」のアクセサリが充実しており、車中泊には快適な車だ。
ただし、これらの乗り継いできた車に共通するのは、

・車内空間が1人の車中泊には何とか対応できるが、夫婦2人+犬1匹には寝るだけでもちょっと狭い。
・車内でお湯を沸かすくらいは何とか可能だが、車内での調理は危険で不可能だ。外食やコンビニ弁当で済ませればよいのだが、時刻や場所によってはそうはいかない場合もある。ステップワゴンやN-Boxでも車外で簡単な調理はしたが、「道の駅」などの駐車場ではルール違反となる。

2年位前から、いつかはキャンピングカーをという考えが膨らんできた。

☆キャンピングカーとは?

 キャンピングカーには、ナンバープレートが「8」ではじまる「特殊車両」と、それ以外の「4」「5」ナンバーのものがある。8ナンバーのキャンピングカーの法的な構造要件として、

 ・1人当り180cm×50cmで完全に平らな就寝設備が乗車定員の1/3以上あること
 ・10リットル以上の給排水の設備があること
 ・コンロなどで炊事が行え、コンロ周辺の天井高は1.6m以上の空間があること(つまり「車内で」「立って」「火が使えること」)となっている。税金面では多少優遇されているように思う。(例えば1800ccなら自動車税は普通車が\39,500だが8ナンバーは\31,600)

日本のキャンピングカーには、8ナンバー以外も含めて様々なキャンピングカーがある。それ以外にもSUV等で牽引するキャンピングトレーラというのもあり、目的や使い方で選択が分かれるところだ。日本での登録台数だが、「キャンピングカー白書2014年」のデータによれば、毎年4,000~5,000台の生産台数、2013年時点で約85,000台とのことだ。ユーザは60歳台が37%とトップで「シニアユーザが子供の代わりにペットを連れて、のんびりと夫婦2人のキャンピングカー旅行を始める」という状況らしい。

☆キャンピングカー購入への道

 さて、私のキャンピングカー購入の話に戻す。2年くらい前から、その可能性も含めて購入への準備に入った。残念ながら私の周りにはキャンピングカー・ユーザがいないので、どの種類の車が私の目的に合っているのか、価格はどの位で買えるのか、などを雑誌、本、店頭、インターネットなどで調べた。
購入への道で一番大変なのが我が家の大蔵大臣(妻)の説得である。(村上龍の小説「55歳からのハローライフ」の短編「キャンピングカー」を読むと身につまされます)我が家は述べたように犬を飼っており、旅行等での留守番をさせる(ペットホテル不可)のが大変なので、「キャンピングカーなら一緒に連れて行けるね」というのが一番の決め手になったようだ。
 キャンピングカーの種類だが、「フルコン」は車両が大きく高額であり、「バンコン」や「軽キャンパー」は普段使いが出来るものの何となく中途半端、「バスコン」は価格や大きさから問題外、「トラキャン」は好みに合わない。私の結論は買うなら、車内で立って歩け、調理や就寝にも無理が無く一番キャンピングカーらしい「キャブコン」が良いということになった。問題は価格だが、新車はちょっと手が出ないので中古車を中心に探した。「キャブコン」は台数も多く中古を探し易い。キャンピングカーはオプションの種類が多く一品料理的な所が有り、特に中古車は乗用車以上に1台1台が違う。その中で自分の好みの1台を探すのは容易ではない。私が「この車はいいな」と思う時は他の人も思いは同じだ。このWeb時代、ちょっと考えていると直ぐに買い手が付いてしまう。車種への知識や購入後のメインテナンスもあるので、キャンピングカーディーラーを中心に探し始めて3ヶ月、ほぼ望みの仕様の車を発見、妻をうまく誘い出し下見に行く。他にも待ち客がいるというので即決してしまった。

  ナッツRV社製キャンピングカー「クレソンJr」

 決めたのは、日産バネットトラックベースの1800cc、全長約4.96m、全幅1.95m、全高2.85mのキャブコンだ。九州の「ナッツRV」というキャンピングカーでは大手メーカの、車名は「クレソンJr」。この車種は製造終了だが、「クレソン」は現行車種だ。乗車定員7名、就寝定員5名だが、快適な定員は4名程度だろう。平成19年登録の8年物だが、内装は販売店に一部を改装してもらい古さはあまり感じない。走行距離は85,000kmだが、トラックベースなので乗用車と違ってこの距離での問題はないようだ。

車内前方 19″TV、電子レンジ装備
車内後方 キッチンにはシンク、冷蔵庫を装備

 長さや幅は見た目に大きく感じるが、運転してみるとホイルベースが短いせいか小回りも利き、案外運転しやすい。問題は3m近い高さだ。立体駐車場はまず無理だし、鉄道や道路の立体交差も通過可能高さを必ず確認しないと、とんでもないことになる。国道を主に通れば間違いはない。運転席上にはバンクベッド、30Lの給水設備とシンク、40Lの冷蔵庫、ツインサブバッテリー、2kwインバータ、電子レンジ、ソーラーパネル、ナビ+バックカメラの設備がある。TVは20”に交換した。

 購入した「キャブコン」は居住性など旅には良いが、高さ等の点で普段の買い物等には向かない。普段使いの車も必要なので、キャンピングカー用駐車場は以前から近所に借りている安価な野天駐車場を使っている。地価の高い都会では経費の点で障害かもしれない。

☆キャンピングカーの旅

 購入してから10ヶ月、慣らしに何回かの1~2泊の旅をしたが、概ね期待通りだ。思い立ったときに宿の予約や出発時間など、あまり気にせず気楽な旅が出来る。愛犬も一緒なので、その心配もない。
 宿泊場所は、オートキャンプ場、道の駅、RVパーク(最近増えてきた車中泊用の有料駐車場で、100V電源、24時間トイレ等の設備がある)などだ。

 4月に東日本大震災からの復興で注目される宮城県女川町まで2泊の旅に出た。今回はキャンピングカーでの1人旅だ。ルートは流山の自宅から国道6号線をひたすら北上し、途中の道の駅「ひたちおさかなセンター」で昼食と今晩の刺身を仕入れ、また6号を北上した。途中、通行制限解除から1年半が経過した帰宅困難区域を抜ける。国道からの横道は全て封鎖され、数分間隔でパトカーとすれ違い警備の物々しさを感じる。夕刻に今晩の宿泊地、道の駅「南相馬」に到着。翌朝は朝食後、7時に今回の目的地「女川」へ出発。相馬市、仙台市の脇を抜け、石巻市を通り抜けてお昼少し前に女川に到着。出発前に調べておいた魚屋直営の食堂「お魚いちば・おかせい」へ。女川駅から距離があるのに昼前から観光客や地元らしき人でほぼ満席だ。ここでの一番人気、女川名物?「女川丼」をいただく。魚屋さん直営だけあり、鮮度・味・量ともに大満足。

           女川名物「女川丼」
       新生女川駅には構内に立寄り温泉がある
        震災復興工事最盛期の女川港
            シーパルピア女川

 昼食後、女川駅の方へ廻り、駅前の商業施設「シーパルピア女川」を散策。話題になっている開放的なデザインだ。旧女川駅の場所から約200m内陸側にできた新しい女川駅。駅内には温泉施設も作られ、開業1周年とのこと。温泉につかってのんびりした後、今晩の宿泊地、道の駅「みなみかた」に向う。

 翌朝は近くの築舘インターチェンジより東北自動車道を走り、宇都宮経由で夕刻に自宅に帰着した。2泊3日、走行距離880kmの旅となった。1日平均約300kmはちょっと走り過ぎで、観光しながらのクルマ旅は1日の走行距離は200km位にすべきだろう。

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