台湾・玉山登山2009

2009年6月に台湾の玉山に登った。
九州と同じほどの面積の台湾に富士山よりも高い山があるのをご存知だろうか?
富士山は標高3,776mだが、台湾の中央より少し南に標高3,952mの玉山がある。東北アジア最高峰の山である。
第2次大戦前の日本統治時代には「新高山」と呼ばれていたので、その名をご存知の方も多いかもしれない。
台湾には公私含めてそれまで3回ほど行っており、台湾へのなじみは深い。
今回は仕事関係の伝手から玉山登山のお誘いがあった。玉山(玉山国立公園内にある)に登るには台湾政府の事前許可が必要で、1日の登山者も90人に制限されていると言う。台湾でも玉山登山は人気とのことで、外国人はなかなか登るチャンスがないとの事。
これは一念発起してお誘いに乗ろうと思った。ただ、私は山登りの経験が殆どなく、3,000m以上の山は20代の時に富士山に登ったきりだ。
ベテランのリーダーも同行することだし冬の危険な山登りでもなさそうだ。後はスタミナ不足で遅れて皆さんに迷惑を掛けることが、唯一の心配事だ。
トレーニングせねばと思っていたが、筑波山に1回登ったきりで玉山登山に挑戦することとなった。

2009年6月17日 台北~台湾新幹線で台中へ

台北、桃園国際空港に降り立った後、台湾新幹線で台中に向かう。
午後3時ごろだったと思うが、車内もご覧のように空いていたが、降りた台中駅も構内はガラガラだった。

2007年に開業した新幹線は、もちろん日本の技術で、東海道、山陽新幹線の700系改良型で(TAIWANのTだと思うが)700T系である。車体のオレンジ色が綺麗なので鉄道模型ファンの筆者としてはNゲージ模型が欲しくてたまらない。
開業当事にkato製が現地で限定販売されていたようであるが、今は完売状態だ。
2012年11月にkatoが再生産し日本で販売すると言うニュース、我が流山鉄道に是非導入せねば!

台中からマイクロバスで玉山国立公園管理事務所に向かう。
ここで、事前に届けをしていただいていた書類で入山許可をいただく。(私がしたわけではないので、詳細はわからない)

玉山登山口近くの塔塔加(台湾語ではトウトウチャと発音するらしいが、英語ではTakataと書いてある)ビジター・センターに到着。ここから先は一般車は入れないようだ。

午後4時過ぎ、今日の宿泊場所、「鹿林山荘」に到着。

ここは政府関係の人の為の山荘で、食料は持込んでの自炊だ。
調理場も本格的で、台湾メンバーの名調理人があっという間に本格的な台湾料理を作ってしまう。

これは、山荘のリビングに飾ってあった冬の玉山の写真。
この標高なので冬は本格的に雪が積もり、冬場は閉山しているそうだ。

6月18日 塔塔加登山口~排雲山荘

起床・朝食の後、山荘の外へ出ると快晴だ。
ここでも標高2,500m位あり、山々の眺めは美しい。

車で塔塔加登山口まで移動し、いよいよ登山開始だ。標高は2;600mとある。

最初の頃はなだらかでハイキング気分だ。

まだ、上りはそうきつくないが山は徐々に険しくなってくる。

登山口から約3時間、500m程登った標高約3,100mの休憩所で早めの昼食。
野鳥もおこぼれに与っている。

かつては海底にあった岩盤が隆起して出来たと解説にある巨大な岩盤壁(大峭壁)、標高は3,173m。

道標には、今日の宿泊地「排雲山荘」まであと1.0kmとある。
写真を見る限り、まだまだ元気だ。

その最後の1.0kmが結構な登りで、きつかった。
左の写真の真ん中ほどに旗が見えるが、これが「排雲山荘」の目印。見えた時はうれしかった。
「排雲山荘」標高3,402mに13:30到着。登山口から距離8.5km、高低差802m、約5時間の行程だった。
ここで休憩、夕食の後、明朝4:30からの山頂への行程まで仮眠する。
寝床は2段ベッドでようやく1人づつ横になるスペースがある。どうやらこの「排雲山荘」の収容人員が1日の登山許可の人数となっているらしい。

ここではシェルパが、下から運んできてくれた水、食材で夕食を作ってくれる。
中華料理なので火力を必要とするが、ガスレンジはキャンプ用ガスバーナを3個づつ組合わせていた。
出来上がった料理は空腹でもあり美味しそうだったが・・・
しかし私はこの山荘に着いた時点で高山病となり、頭痛と吐き気で殆ど食欲無し。
玉山登頂をギブアップしかけたが、リーダーが持参した高山病特効薬(ダイアモックスという薬だと思うが、未確認)のおかげで、翌朝4:30の起床時には驚異の回復となった。
葉さん、ありがとうございました。

6月19日 排雲山荘~山頂~排雲山荘、下山、台中~台北へ

翌朝4:30には驚異の回復を遂げた私は、ヘッドライト装着の万全の装備?で山頂に挑む。
まだ真っ暗で明かりは自分のライトしかなく、足元しか見えない。

山頂まで500mの高低差があるので結構きつかったようにも思うが1.5時間くらいで無事に山頂に着いた。
登頂メンバーは岩場に座り、御来光を待つ。

山頂で待つうちに日が昇り始める。
この美しさは言葉にならないほどだが、山登りが趣味ではない私でも登って本当に良かった。
玉山山頂は海抜3,952m、自分の足で登った最高の高さだ。
玉山は英語名がMt. Jadeと言うのが、この時わかった。

6:30頃から下山を開始。
真っ暗な中で登って来たときは気付かなかった山頂までの急斜面と険しさにびっくり。

下りも1.5時間ほどかけてゆったりと「排雲山荘」に戻る。
昨日の半ば高山病になっての到着時と違い、すがすがしい顔だ。朝食も実に美味い。

温度計を見ると10℃、さわやかな朝。朝食後、下山開始。

途中の休憩所では野鳥やリスが・・・。

玉山登頂証明書

帰りに玉山国立公園管理事務所に立寄り、立派な「登頂証明書」をいただいた。

昼食は水里の「水里羊肉王」。台湾の人しか行かない(行けない?)店だが、大変美味しい。
その後、新幹線で台北に戻る。

6月20日 台北市内観光(故宮博物院、TAIPEI101)

明日は午前便で帰国予定なので、今日は1日「台北観光」となった。
まずは「故宮博物院」へ。前回の訪台時は工事中で、展示物があまり見れなかったが、今回はフルに公開されており、例の「白菜」など十分な時間をかけて見ることが出来た。

バスで市内に戻り、TAIPEI101へ登ろうということになった。
台北市内のバスは1区間15元(約40円)で安いのだが、400路線近い運行経路があり目的地まで最短で乗るにはノウハウが要るようだ。

TAIPEI101は高さ508m、訪れた当時は世界で一番の高さを誇っていた。(2011年にドバイの819mに抜かれてしまった)
低層階はブランドショップを中心としたショッピング街だ。

高速エレベータで89階の展望台に上がると台北市内を一望に見渡せる。
展望台へは350元(950円)だから東京スカイツリーよりだいぶ安い。(この当時はまだなかったが・・・)

展望台の下の階ではこのビルを揺れ(暴風対策とのこと)から守っている巨大な制振装置を見ることができる。
左の黄色い巨大な球体は直径5.5m、重量660tとのことで、このビルの中に吊り下げられて、振り子に似た反作用の力を利用することで、建物の振動を緩和させるとの事だ。

展望台へ上がるエレベータは分速1010mの超高速、約30秒で上がってしまう。
制振装置も高速エレベータも日本の技術だ。

TAIPEI101の地下は日本のデパ地下的な食品店街で、フードコートもありリーズナブルな価格で食べられる。

台北ではホテルはいつも「グロリアプリンス」を利用するのだが、ホテル周辺には庶民的な店が多くある。
こんな屋台で食べてみたいのだが、なかなかその機会がない。

ドラッグストアに列が出来ており、覗いてみると特売品に並んでいる様だ。このあたりは日本と同じ?

台北の最後の晩餐は「海世界活海鮮廳」へ連れて行っていただいた。
店の前の水槽には活きのいい海鮮がいっぱいだ。
こちらでは刺身は一般的ではないようだが、マグロは美味しかった。
蟹、海老も最高!大満足。

最後は足裏マッサージで疲れをとり、
「おやすみなさい」。

6月21日 帰国

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